TS-950SD(KENWOOD HF TRANSCEIVER)
TRIOの伝統ある最高級機型番900シリーズ最後?のリグであり、初めてDSPを本格使用したトランシーバです。
また、2波同時受信機能(サブ受信機)が搭載されており、パイルの呼び方を変えた、歴史的なリグではないでしょうか。
送信部にMRF429×2の50Vファイナルを実装し、余裕の100Wオーバーであることも、最高級機の名に恥じない作りだと思います。
今でも十分最高級機であり、音も大変良いため、我がシャックのDX用メインリグとして今後も活躍してくれることでしょう。
・ 特徴
下の写真はパネル左側のスイッチ、ツマミです。
アナログメーターでないのは少し寂しいですが、同時に3つ表示できるのは、画期的ではないでしょうか。
POWとSWRおよびALCが同時にみれるのは、とてもありがたい機能です。
RFスピーチプロセッサーですが、IN/OUTが調整できる本格的な仕様で、所有するリグの中で効きが一番良いと思います。
(あくまで主観的な判断ですが・・)
一番下にKEYスピードやVOX関連が小さなVRで配置されており、ここでディレイが調整できるのは、あいがたいですね。
NBはTS-850と同様、通常とウッドペッカー用の2種類あり、メイン、サブ受信機それぞれ独立してレベルを調整できます。
しかも、サブのNBトリガーで、メインのNBを動作させることができるんですよ。
これは大変な優れもので、サブ受信機をONし、強い局の抑圧を受けないノイズの多い周波数に合わせる事で、メイン側で、
とても安定した効きの良いNB動作が可能となります。(この場合、メイン側のNBボリュームは最低の0の位置にします)
このNBのお陰で、珍局ピックアップがどれほど救われたことか・・・
パネル右側のスイッチ、ツマミです。
SSB SLOPE
TUNEは、IFカットと同時にAFもDSPでカットしており、歴代の搭載機の中で、効きが一番良好であると思います。
CW関係は、AF
VBTが素晴らしく、ほぼ常用してる機能ですね。
発色が綺麗で見やすい表示部。液晶でないためか、経年変化は感じられません。
・ 気になる点
(1) キャリアVRが前面パネルにない
なぜか上部ポケットにあり、私にとっては致命的欠陥と言ってよい配置です。
バージョンアップ版のSDXでは修正されていますので、やはり不満が多かったのでしょう。
(2) サブ受信機のダイヤルが小さい
ライバル機のFT-1000(FT-1021)は、サブ受信機のダイヤルも大きく使いやすいのに、なぜ普通のツマミにしたのでしょうかね。
(RITと同じ大きさというのは・・)
(3) DSPユニットがお腹に張付いている
どうでもよい話ですが、なぜこんな所に付くことになったのでしょうか。
最初はアナログ機として開発し、途中からDSP機に仕様変更しました的な実装です。
使用上、特に問題ありませんが、平らな場所以外に一時的に置く場合など、注意が必要ですね。
(4) 内蔵FANが壊れやすい?
特に電源用FANです。それほど酷使したつもりはなく、週一1程度の使用でしたが、わりとすぐ回転がおかしくなりました。
TS-850に搭載され壊れたFANも、まったく同じメーカーの同じ型番でしたので、標準FAN(写真右)の信頼性に疑問ありです。
写真左の他のメーカー製に交換しました。
・ 注意点
TS-850などと同様、天板のゴム足跡でしょうか。また、プラスチックパネルの色落ちもあり、黒い下地が見えてくる場合があるようです。
オークションの中古などでも、たまに見受けられますが、使用上、注意した方がよさそうです。
(850や690、450等も同じだと思われます)