TS-700GU(TRIO 2m ALL MODE TRANSCEIVER)


 TRIOの2mオールモード固定機、TS-700GUです。 当時はとても手が出ない高級機で、指をくわえて見ているだけでしたね。
 とにかくしっかりした作りと安定した動作で、今でも十分実用になりますよ。
 送信前にFINALやDRIVEといったチューニング動作が必要なのと、受信マーカでダイヤル校正するあたり、当時のHF機のようで好きです。
 AMまで付いた真のオールモードで、後続機のTS-700S同様、歴史に残る名機です。



・ 特徴
 送信出力のリニアリティーを良くするため、DDコンバーターで13.8Vを変換し、ファイナルの電圧を20Vにしています。
 これは700シリーズだけの特徴のようで、以降のVU固定機は13.8Vになってしまいましたね。
 パネルの左側ですが、見てのとおり、RITスイッチONで、”RIT”の文字が浮かびあがります。
 また送信時には、となりの”ON AIR”の文字が赤く浮かびあがる仕掛けです。
 このあたりは、ライバルのFT-221も同じで、当時の流行でしょうかね。
 モードはAMまで付いたオールモードで、FMはWIDE/NARROW切替式です。
 Sメータは文字板を背面からランプで照らす方式で、後続のTS-700SやFT-221より見やすくFBだと思います。
 

 パネル右側のスイッチ、ツマミです。
 送信は、DRIVEとFINALツマミを回し、最大出力に調整します。また、出力が連続可変であるのがうれしいですね。
 2連のツマミはAF/RFしかなく、操作性は大変良好です。

 

 アナログのダイヤル文字板が良いですね。特に上段は緑色に浮き上がり、とても綺麗です。
 メインダイヤルは独特の感触で、石臼を引くような何とも言えない手ごたえです。
 TS-600とこの700シリーズだけでしたが、忘れられない感触ですね。(個人的には好きな感触です)



 HF機ほどではありませんが、それなりの大きさと重量があります。
 


・ 気になる点
 (1) VFOのガリ問題。
   このシリーズ特有の問題のようですが、VFO内部で接触不良が発生し、周波数が不安定になる場合があるようです。
   但し、電源を入れ、VFOをぐるぐる回しているうちに接触が良くなり、現象に気づかない場合も多いです。
   所有機も1ヶ月程度電源を入れないと、多少発生しますが、ダイヤルを回しているうちに回復します。
   定期的に使われているものは、ほとんど問題ないようです。
 

・ 注意点
  特にありません。