大ベストセラーTS-520Sの後継機がこのTS-530Sなのですが（型番的には）、どうもしっくりこない。
回路構成的にシングルスパーであり、TS-820の後継機と考えるのが自然ではないでしょうか。
シングルスーパーでWARC付き、真空管ファイナル機となると、TRIOでは本機しか存在しません。（八重洲はFT-901後期型が唯一）
TS-830と比較して付加機能が大幅に削られていますが、その分シンプルであり、使い勝手はこちらが上です。
また、ダブルスーパーの830に対して、こちらはシングルスーパー。一長一短ありますが、個人的にはシングルの方が好き。
いずれにしても、TRIOが最後に発表した真空管ファイナル機は本機であり、その事実だけで歴史上重要なRIGだと思います。
・ 特徴
TS-830やFT-102との比較で、混信除去機能や、実装できるIFフィルター関係が見劣りしますが、そこそこ実践的な機能は実装されています。
そのため、今でも十分DX交信に使用できる思いますが・・
パネル右側のスイッチ、ツマミです。
IFフィルターのナロー選択はNARスイッチが担当。SSB（1.8KHz）、CW（500Hzor270Hz）が実装可能でした。
DELAYとCARが全面に並んで、しかも単独ツマミでレイアウトされているのは最高としか言いようがありません。
NBは、レベル可変が可能で、効きも良好です。 PROCはAFタイプですがなかなか良好に動作します。
パネル右側のスイッチ、ツマミです。
IF SHIFT以外に混信除去機能はありませんが、たいていの場合、なんとかなります。
（輸出仕様のTS-530SPはノッチがプラスされています）
二重ツマミが無く、全て単独ツマミです。
メインダイヤル周辺。TRIOお得意の電卓タイプの周波数表示。
やっぱ真空管ファイナルは良い。TRIOは、本機を最後に真空管はお終いに・・・
・ 気になる点
(1) 電源コード直付け
これは勘弁して欲しかったですね。TS-830に対してこんなとこを差別化しなくとも良いのでは？
・ 注意点
なんとなくバンド切替がしっくりこない場合、ファイナルBOX内のカップリングが駄目になっている場合が多いです。
写真中央の取り出し途中の白い部品がそうです。
