IC-736(ICOM HF/50MHz TRANSCEIVER)


 ICOMのHF/50MHz固定機、IC-736です。
 ICOMというと、昔はV&Uのイメージが強く、HF機の世界では、やや影が薄かったように思います。
 ですが、TRIOとYAESUの両横綱の狭間で、IC-750Aや760PRO、IC-731等の名機が出ており、技術的に負けていたとは思えません。
 このIC-736ですが、型番的には、IC-730シリーズの後続機であるようですが、かなり本格的使える実践機だと思ってます。
 TS-850Sを買って少ししたら本機が発売になり、あららと思いましたが、結局両方とも保有することになりました。
 


・ 特徴
 この大きさこの重量の中に、HF〜50MHz100W出力、28V電源、ATチューナを内蔵しているのは、本機ぐらいではないでしょうか。
 ファイナルですが、モトローラのMRF174×2を、28Vの高電圧で駆動しています。
 これは、TRIOのTS-930SやYAESUのFT-980などの最高級機並の仕様で、中級機クラスでは見当たりません。
 受信は、9MHz台と455kHz台にCWフィルターを実装でき、PBT機能を搭載しているため、混信対策も十分です。
 下の写真はパネル左側のスイッチ、ツマミです。
 COMPはAFタイプのスピーチプロセッサーですが、まあそこそこ効いているようです。
 KEY SPEEDが大きなツマミに割り当てられているのは、ありがたいですね。   
 


 パネル右側のスイッチ、ツマミです。
 BAND切替は、ダイレクトに行うことができ、便利です。
 PBTの切れは良好であり、十分実用的です。
 NOTCHがAFタイプなのは、痛いですね。
 
 

 アナログタイプの大型メーターで、発色が綺麗ですね。


 このコンパクトボディーに、全て搭載してるのがうれしいですね。


・ 気になる点
 (1) 全体的に、スイッチ(ボタン)がチャタリング気味
   これは、所有機だけの問題かもしれませんが、スイッチ全てがチャタリング気味で誤動作し、あれっと?と思うことがよくあります。
 (2) DELAYが背面
   まあ、ほとんどのリグが前面に無いですが・・
 (3) 送信音が硬い?
   このリグでローカルとQSOすると、”今日は硬い音ですね”と言われます。別に悪いことではないのですが・・・
   IFのフィルターをワイドタイプ交換し、オーディオ回路の定数を変更するなどして、改善されている方もいるようですね。
 (4) 液晶の件
   写真でお分かりのとおり、すでに交換済みです。かなりの高確率で不良となるようですね。
   初から輸出仕様と同じ、このオレンジタイプにしてほしかったです。
 (5) CAR(キャリアー)調整が無い
   調整できないのは、なんとなく気持ちが悪いです。CWでALCをガンガン振らすのは、好きではありませんので。
 (6) CWフィルターの出し入れができない
   たとえばLowバンドでは、9MHz+455kHzのフィルター構成で運用し、Highバンドでは9MHzのみとか、自由に選択できないのは不便です。


・ 注意点
  RECEIVEとTRANSMITのパネルLEDは、触ってはいけませんよ。
  これ自体がLEDではなく、ただの樹脂製の部品(LEDカバー)なのですが、下手に触るとパネルの内側にころころと落ちてしまいます。
  実際落としてしまい(はっきり言って、目が点になりました・・) 、パネルやツマミを外す大手術になってしまいました。
  この樹脂製の部品(LEDカバー)は、パネルにはまっているだけですので、透明な接着剤で落ちないように固定しました。トホホ