FT-736MX(YAESU VHF/UHF ALL MODE TRANSCEIVER)


 八重洲無線のVU固定機、FT-736MXです。
 実は、購入当初は、あまり好きなリグではなかったんです。この当時のヤエスのデザインが、なにか好きになれなくて・・・
 (どちらかと言うと、メーターが2個ある前作のFT-726の方が好きでした)
 ですが、使い込むうちにだんだん良くなり、今ではお気に入りの1台となっています。
 対応する周波数帯ですが、オプション実装で50MHz〜1.2GHzまでのオールモード(AM不可)にオンエア可能です。
 また、今となっては使うことは無い、AQSなる機能が標準実装となっています。
 50MHzと1.2GHzは10Wですが、144MHzと430MHzは25W出力(10Wモデルもあります)であり、当時50W機扱いで
申請した記憶があります。
 購入した当時は、このリグとHF機で、下から上まで全てオンエア可能だよと、ローカルに自慢しておりましたね。



・ 特徴
 同時期発売されていたHF機(FT-767)のパネルを流用(コスト削減のため?)しているため、一般的なVU固定機にはありえないツマミ、
SWが前面出しとなっています。
 そのおかげで、とてもマニアックであり、とても使いやすくなっています。
 下の写真はパネル左側ですが、VOX関係やエレキーのスピード調整が中央に配置されており、CW派にとってありがたいです。
 通常だと良くてリアパネルですから。
 またAGCがF/M/Sの3段階あるのもFBです。とりあえずワッチはMで行い、QSOはモードによりF/Sに切替、使用してますよ。
 

NBはレベル可変できませんが、効きは良好です。


 パネル右側のスイッチ、ツマミ群です。モードのFM−Nは、10kHz帯域幅ですよ。(スパーナローFM?)
 CW−Nが独立したボタンでパネルにあるVU機は、本機のみ?ではないでしょうか。
 またCWサイドトーンの音量VR(MONITOR)が前面出しは、HF機でも見当たらないですね。
 HF機でも良くてリアパネル、普通は基板上の半固定抵抗ですから。
 NOTCHはちゃんとIFタイプで効きも良好です。
 FUNCTION内のSTEPキーは、ICOMのTSキーのような周波数のステップ切替で、とにかく便利です。



・ 気になる点
  軽微な話ではありますが、下記の気になる点があります。
 (1) メインダイヤルを回すと、AFにジーという非常に小さなノイズが入る。
 (2) 1200MHzのSSBに、内蔵SW電源と思われるノイズが混入することがある。(DC使用では問題なし)
   注.上記は、私が所有する機器固有の問題かも知れません。また、どちらも、運用上たいした問題とはなりません。
 (3) SWボタンが腐食すること。これは、この時期のヤエス機で、このタイプのボタンを使用したリグ全てに言えることですが・・・
    対策としては、半年に1度程度、シリコンスプレーと綿棒で磨き上げることでしょうか。写真のとおり、綺麗な状態を保てますよ。


・ 注意点
  オプションのバンドユニットですが、本体に実装する時、薄っぺらな導熱シート?をかまし、背面のヒートシンクに固定します。
  ですが、これは経験上、あまり芳しくありません。それはバンドユニットからの熱が、ヒートシンクに十分伝わらないからです。
  私は、このシートを取り払い、シリコングリスをバンドユニットに塗りたくり、ヒートシンクに固定してます。
  実は、一度、1200MHzのバンドユニットのRFパワーモジュールが壊れたことがあり、この時、この対策を行いました。
  対策後、1200MHzのFMを運用すると分かりますが、長時間送信しても、RF出力の低下がほとんどなくなります。
  そのかわり、背面の放熱器が熱くなりますが・・・(熱が伝わっている証拠ですね)
  シートによる取り付けでは、数分間の連続送信ですぐにRF出力が低下しますので、放熱効果が弱いことが確認できると思います。
  勿論、50MHzのバンドユニットもシリコングリスで直付けです。
  (誠に申し訳ありませんが、実施される場合は、個人責任でお願い致します)