FT-107SM(YAESU SOLID STATE HF TRANSCEIVER)
YAESUのHF固定機、FT-107SM(後期型)です。
真空管ファイナルからトランジスタファイナルへの移行期に発売されたHF・トランシーバーで、”SOLID
STATE
”のエンブレムが懐かしいです。
回路構成はFT-901と同じシングルスーパーで、そのためか、受信音がとても聞きやすいリグだと思います。
またこのリグは、ゼネカバ機ではないため、フロントエンドにHAMバンドごとにBPFが入っており、バンド外からの抑圧にも強いですね。
ホワイトカラーは、当時のHAMフェアーで見た時びっくりしましたが、今でもとてもエレガントで、独特の雰囲気をかもし出しています。
・ 特徴
当時のYAESUの最高級機であるFT-901DMとの比較で、NOTCHがAFであるのとFMモードが無いこと以外は、ほぼ最高級機仕様
であり、今でも十分実用になります。
下の写真はパネル左側のスイッチ、ツマミです。
WIDTHはフィルターをシリーズに2個投入しているだけあって、切れは良好です。NBはレベルが可変できるタイプで、効きも良好ですね。
プロセッサー(COMP)はRFタイプであり、こちらも動作はとても良好です。
CW時に使用するAPF(オーディオピークフィルター)は、FT-901同様、とてもよく効きますので、CWフィルターと併用することで、DXに効果絶大です。
パネル右側のスイッチ、ツマミです。
BAND切替は、後期型であるためWARCバンドに対応しています。
DMS(デジタルメモリーシフト)は、M
SFT
ONでハンドマイク(MH-1B8)から周波数をUP/DOWNでき、とても便利です。
勿論、第2のVFOとして機能しますので、DMSを実装していれば本体だけでスプリットに対応できますよ。
ATTがON/OFFしかないのが寂しいところですが、この時代のリグはみなそうですから、しかたないでしょう。
アナログタイプの大型Sメーターです。ホワイトカラーとマッチした黄緑のランプで、とても美しいです。
アンバー色の7セグ表示で、FT-901(後期型)と同じもの(ユニット)を使用してます。
また、下のアナログ部はシンプルな文字盤ですが、これも綺麗ですよ。
・ 気になる点
(1) パネルやツマミの日焼け、黄ばみ。
本体のパネルは、アルミダイキャストへの塗装であるため、変色は無いと思いますが、周辺機器(トランスバータやチューナー等)は、
プラスチックのパネルであり、これが黄色に変色します。
私の場合、ピカール(レストア参照)で処理することで、かなり良くはなりましたが・・。
ツマミもピカール処理で多少良くはなりますが、元には戻らないため、交換するか、我慢して使うしかありません。
(2) FMモードが無い
FTV-107というカッコいいトランスバータがラインナップされているのに、なぜでしょうか?
VU帯でFMに出れないのは、チト寂しいです。
改造して、出れるようにされてる方もいると聞きしましたが、詳細は分かっていません。
・ 注意点
パネルやツマミの日焼け、黄ばみを避けるため、光を遮る布などを掛けておくことをお薦めします。