FL/FR-101(YAESU 101 ライン)


 YAESUのセパレートFL/FR−101です。
 BCL少年だったころからの憧れのRIGでして、当時は所有することなど夢また夢でしたね。
 TRIOの599ラインと並んで、コレクションしたいRIGでしたが、とあるOM様より譲り受けることができました。
 受信機はオール半導体、送信機はドライバーとファイナルが真空管のハイブリッド構成で、今でも十分実用的な機能と性能を有しています。
 これ以降YAESUはセパレートの発表は無く、最後を飾る名機となりました。


 ダイヤルロックが無く、プッシュSWが丸型であるため、前期型の後期型と思われます。(確証はありませんが・・)
 前期型の初期型はプッシュSWが角型ですよね。

 FL-101に前期後期があるのかは不明です。



・ 特徴
 FR-101の左側です。
 MODEはBCL受信機としての用途も考慮したためか、AMがワイドとナローを装備しています。
 FMも受信可能ですが、オプション(デラックスタイプは標準)ボードとフィルターが必要です。
 本機は前期型であるため、ダイヤルロックが無く、代わりにCALIBツマミがしっかり動作します。
 中期以降はCALIBツマミが飾りとなり、ダイヤルロックが装備されます。
 こうなった理由は定かではありませんが、局発用水晶の精度により、CALIBでは調整しきれないことがあるためではと想像してます。
 メータはアナログタイプの大型で、とてもFBですね。ただ照明の方法が送信機と違うのはなぜ?ですかねえ。
  (FRは下から、FLは上から照らします)     
 


 右側の特徴は、何と言ってもバンドSWでしょう。
 これほどのロータリーSWは滅多にお目にかかれません。逆にこれがNGになると、致命傷ですが・・・
 これと連動して、上部にバンドがランプに照らされて表示される仕組みがアナログタイプ最大の特徴であり、大好きな点でもあります。
 プリセレクターはYAESUお得意の3連ミュー同調で、バンドを変えるたび、周波数を大きく変更するたびに調整が必要です。
 使い勝手が悪いと言われる方もいますが、不要信号の排除には効果絶大であり、外せない機能です。
 6m、2mの切替えは、中期型以降ではさらにHi、Lowに分かれてます。
 個人的にはFR-101でHF以外を聞くのは、なんとなくイメージに合わないですね。 

 

 FL-101の左側ですが、MICゲインとCARが同軸となっており、個人的にはやや使いづらいです。
 右側にあるDELAYの独立が勿体無いですねえ。
 SPOTスイッチは送信部をドライバー段まで動作させ、確認用のRFを発生させるための素晴らしい仕掛けです。
 受信機との周波数合わせをするための仕掛けですが、FR-101にTUNEモードがないため、ゼロビートによる完全一致はできません。
 CWは800Hzと思うところで妥協するしかありませんし、SSBの場合は結局試験電波を発射し、
FR-101のモニターで自分の声を聞きながら合わせこむしかありません。
 VFOを送受で共用する場合は、FR-101のTRANSで合わせ込むのですが、状況は同じです。
 しかし実際は慣れの問題ですし、セパレートならではの儀式でもあり、個人的にはまったくOKです。
 メーターは受信機とは異なり、上から照らす照明です。ALCが逆振れなのが最高ですね。


 右側ですが、特別なツマミ等はなく、真空管ファイナル機としては標準的です。
 バンドSWにAUXが2個ありますが、水晶を作成すればWARCが実装できるのでしょうかねえ。
 


 微妙にケースの色が違うんですよね。



・ 気になる点
 (1) 受信音のハム音
   前期型のため少々気になりますね。
   ACラインの引き回しとトランス位置が関係しているようでして、中期型以降では修正されてます。

 (2) 機構的な精度
   特にFL-101の立て付けがよろしくないです。底面のシールド版と底板が干渉してます。
   まあたいした問題ではないですが、ばらしてみたら気になりましたので・・・

 (3) SP内臓してない
   FR-101ですがスピーカーを内臓していません。FT-101などのトランシーバーのように、内蔵して欲しかったです。


・ 注意点
  特にありません。