TS-850Sの修理
以前からチョッとおかしいかなあ〜と思っていたのですが、ボリュームをかなり上げないと適音にならないんです。
ですがボリュームの適音位置は機種ごとに異なるものでしょうし、個体差もあるので、あまり気にしないでいました。
しかし、TS-950との比較や、音量を上げたときの歪みが気になり、思い切って調査することに・・・
・ 現状確認
AF・VRの位置ですが、13時ぐらいまで上げないと適音になりません。またさらに上げると音が歪みます。
とりあえず中を開け、IFユニットのAFアンプ周辺を目視で確認してみましたが、特に異常はなさそうです。
(写真中央のヒートシンクに固定されているICが、AFアンプのμPC2002です↓)
AFアンプはNECのμPC2002(IC6)で、出力が470μFと1μHを通して内臓SPに接続されています。
テストのため内蔵SPを切り離し、別途用意したSPを470μFのマイナス側に接続しましたが、音量は特に変わらず。
今度は別途用意した470μFをμPC2002(IC6)の出力(4番)へ接続し、SPを鳴らしてみました。
すると、音量が大幅に上がり、AF・VRの位置が9時で適音となるではないですか。(正常になった!)
・ 原因・対処
μPC2002(IC6)の出力に接続されている470μF(C187)が、不良である可能性が濃厚であるため外してみると・・・
写真のような有様でして、見事に液漏れご臨終状態でした。トホホ
これでよくまあ音が出ていたものですね。
まずは、アルコールと綿棒で基板の清掃です。(腐食の原因となる電解液をふき取る必要があります)
幸いなことに、電解液による基板の腐食は、それ程酷くありませんでした。
後は電解コンの交換ですが、まじめにやろうとすれば、IFユニットの配線を全て外し、ユニットを外して作業する必要があります。
ですが、リスクを伴う作業ですし、今回は手抜き交換としました。
清掃後、基板表面から電解コンを強引に取り付けました。それも手持ちの関係から、大型の470μFを・・・
見てくれは今一ですが、この交換で本来のAF出力となり、AF・VRの位置も9時程度で適音となりました。(^_^)/
不良電解コンはELNA製で、なぜかここだけこのメーカの電解コンでした。
(大型の470μFは、一応ボンドでシールドケースに固定しておきました↓)