IC-232のレストア
ジャンク品で入手したIC-232ですが、周波数が約70kHzコケテますし、周波数がふらふら変動する故障品でした。
コンパクトな2mオールモードで、スタイルも良いので、直したいところです。
・ 現状確認
送受信が約70kHz周波数がずれております。また、細かく周波数が変動しており、SSBではまったく使い物になりません。
まずは、単純に基準発振器(水晶)のトリマあたりが怪しいと思い、PLL周辺を観察することにしました。
下の写真はSSBジェネレータユニットで、PLLユニットはこの下側にあります。
PLLユニットの中はこのようになっています。
なぜかD/Dコンなどがあり、少々面食らいました。
まずは、14.7MHzの基準発振のチェックです。
9逓倍後の132.3MHzのチェックポイントがありましたので、スペアナで見てみると・・
案の定ふらふらしてますし、約70kHzコケテます。
(カウンタではうまく計測できず。やはりスペアナは必需品です)
・ 原因・対処
真の原因にたどり着くまでに、実は長い道のりがありました。
水晶の不良や発振コイル、コンデンサの不良などを疑い、試行錯誤。
しかし原因は他にありました。
このプリント基板には表側パターンと裏側パターンを接続するためのリベット(スルーホールもどき)が多数使用されています。
このインチキスルーホールが接触不良をおこし、基準発振器の周波数制御用バリキャップの電圧を不安定にしていたのです。
始末が悪いことに、ハンダを見た目綺麗に盛っても接触不良が改善されない箇所もあり、真の解決まで時間を要する結果となりました。
これと似たようなものにFR-101前期型のIF基板がありますねえ。
結局、このリベットを丁重にハンダ付けし、導通をテスター確認。さらにその状態で基板に外圧を加え、
導通(ほぼ0Ω)に変化がないことを確認するという作業を強いられました。
数箇所は外圧による接触抵抗変化が解消できず、リード線でジャンパーする必要がありました。
このインチキスルーホールは部品(半固定VR)の下にもあり、ほとほと参りました・・
その後、PLLは安定し送受周波数はバッチリ。IC-232はめでたく復活しました。