FTV-650のレストア


  FT-401Dの相棒として入手したFTV-650ですが、どうも改造品のようで、そのままでは401と接続できないことがわかりました。
  もともとFTV-650は、400ラインやFT-401シリーズで使用するトランスバータですが、FT-200や50Bライン、FT-101等でも
 使われていたようです。
  但し、そのままでは接続できないため、改造が必要なのですが、私が入手したのは、この改造品(FT-101用)だったのです。
  そんなこと事前に知らなかったため、接続ケーブルを自作し動作確認したら、ぜんぜん動かないという結末でした・・

  


 
・ 現状確認
  FT-101用へ改造する箇所は、次の4点です。
  (1) ヒーター回路の12V化
    トランスバーター用に出力されているヒーター電圧は、FT-401は6.3Vですが、FT-101は12Vのため、650側を12Vに変更。
  (2) バイアス回路の変更
    詳細は不明ですが、コンデンサーと抵抗の追加あり。
  (3) ALC回路の変更
    詳細は不明ですが、コンデンサーの定数変更あり。
  (4) リレー駆動用電源の変更 
    送受信切替リレーのDC12V電源は、ヒーター電圧を整流して作成しています。
    オリジナルは6.3Vを倍電圧整流してDC12Vを作成しています。101の場合12Vであるため、半波整流とする必要がある。

  とまあ、そんな訳で、上記改造箇所を元に戻せばFT-401と接続できることになります。
  当初は、回路図が無かったため、解明に時間を要しました。
  下の写真は、オリジナルに戻す前の内部です。(FT-101用に改造された状態)
    


・ 原因・対処
  改造箇所と回路図を入手できれば、話は早いです。
  使用真空管のヒーターは、12BY7A以外、全て6.3Vですし、12BY7Aもヒーターの中点を使用することで6.3Vで使用できますので、
 戻すのは簡単です。
  下の写真は、倍電圧整流回路です。手持ちのダイオードとコンデンサーで作成しました。
  また、写真右端に見えるALC回路の0.0022μFを、オリジナルの0.047μFに変更する必要があるのですが、この時点では、
 持ち合わせが無く、そのままです。 (後日交換)

  

  バイアス回路、ヒーター関係をオリジナルへ。
  

  完全オリジナルへ戻りました。(ALC回路の0.0022μF→0.047μFはまだですが・・)
  

  50Wの送信出力があり、パワーは快調です。
  受信もSGから-100dBmを入力すると、元気良くSメーターが振れますので、良好です。
  GRID TUNEなど、パネル面に調整箇所が多く、使って楽しいトランスバーターですね。
  動作試験中です。↓
  

  じつは、やたらバイアスが流れるため調査しましたが、どうもメーター表示の問題なようで、実際は正常でした。
  マニュアルどおり、バイアス調整VRの中点で-50Vとなるように合わせ、メーター表示は無視することにしました。
  (60mAを示してしまうんです・・)