FT-7のVFO調整(温度補償)


  ちっこくて可愛いFT-7ですが、どうも周波数変動が気になります。同時期のFT-901DMやTS-830などと比べても動きすぎなんです。
  所有機だけの問題だと思いますが、電源ONから2時間経過しないと落ち着きません。
  その間、約2kHzも変動します。
  気分悪いので、思い切って調整することに・・・
  アナログVFOの温度補償に初挑戦です。
  
  


 
・ 現状確認
  電源ONから2時間動き続け、それも約2kHzもです。
  VFOの中身はこのような構造で、FT-101などとの比較でやや小ぶりな大きさです。
  回路的にはそれほど変わらないのですが、温度補償の調整用トリマがなく、発振周波数調整用トリマしかありません。
  写真のコイル上部にある小型タイトバリコンが発振周波数調整用です。
  

  下の写真の中央奥に束でセラコンがぶら下がってますが、これが温度補償用です。
  オリジナルではCJグレード(0ppm)が2個、UJグレード(-750ppm)が1個です。
  これらのコンデンサをいろいろ変えて様子を見る、いわゆるカットアンドトライをするしか手がありません。
  しかしこんな奥まった場所では、やってられませんねえ。
  


・ 原因・対処
  そんなわけで手前にフィールドを移しました。
  アースとバリコン接続用端子の間にぶら下げれば良い為、この場所でOKかなと。
  幸いなことに電気的に、問題なかったようです。
  用意できたUJグレードは10pFのみ。秋葉を探し回りましたが、これしか入手できませんでした。
  頭が紫色のUJグレードの小容量は特に入手困難ですが、0ppmのCJグレードはまだまだ入手できます。
  温度補償の肝はこの紫色の-750ppmにあります。こいつで動きを中和する感じでしょうか。
  FT-7の場合、調整のコツは総容量を変えないことです。外したオリジナルの温度補償セラコンを計測し足し算しておきます。
  ちなみに総容量を変えると、ダイヤルメモリと周波数が合わなくなりますよ。
  下の写真は紫10pFを直列とし5pFとした場合です。オリジナルは紫7pFなので、減った分、黒を2pF増やします。
  これで変動が1kHz程度の改善されましたが、まだまだです。

  

  下の写真は、紫10pFパラで20pF。 オリジナルは紫7pFなので黒を13pF減らします。
  今度は逆方向に1kHz変動するように・・・
  

  最終的にはUJ10pFとCJ10pFを直列にしたものとUJ10pFをパラに・・
  これでなんとか500Hz程度に追い込むことがだきました。
  

  実用上問題無いレベルにできました。やれやれ・・