FT-107の修理(DMS他)


  ホワイトパネルが特徴のFT-107。80年代初頭のTR機でありますが当時は買えず、後から中古で入手したものです。
  入手当初からDMS(デジタルメモリ−シフト)という12chのメモリーが機能しませんでしたが、直せそうもないため、
 長い間そのままにしておりました。
  ですが、最近になって直したくなり、思い切ってチャレンジしすることに・・・
  
  


 
・ 現状確認
  DMSの状況ですが、電源ON当初は、まともな周波数はまったくメモリーできません。
  しかし20分程度経過すると、取り合えず1chだけほぼまともな周波数がメモリーできます。
  ただし、別のチャンネルにメモリーすると先ほどメモリーした内容は壊れてしまいます。こんな状態なんです・・
  それと、スイッチの状態表示用LEDのINTが、やたら暗いという別の問題↓(たいした問題ではありませんが・・)もあります。
  

  LOCAL UNITの上に実装されているモジュールがDMSユニットです。22pのカードエッヂコネクタで実装されているのですが、
 簡単には外せません。写真のようにインシュロックタイでわっかを作り、指をいれて引抜きます。
  


・ 原因・対処
  LEDは経年変化でしょうか?それとも初めからだったのでしょうかねえ。
  LEDの電圧は正常と思われる値であったため、LEDの不良と判断。同等品を探して秋葉をぶらつきました。
  まったく同じLED(松下LN224RP)が入手できたため、すんなり交換でき作業完了。
  写真は交換前のものです。

  

  DMSの方は原因をメモリーと判断。根拠は、メモリー以外の機能(SFT、M FINEやCLAR)は正常動作する点と、
 回路図とブロックダイヤグラムとにらめっこした結果です。
  (延長基板がないため、デジタルオシロで追いかけられませんで・・)
  

  中央部分の4個のICが1kbitのuPD5101です。↓(伝説のワンボードマイコンTK-80に搭載されていたメモリーと同じなんですよ)
  写真のとおり、手前の1個はシャープ製に交換されてました。交換はヤエスか前所有者かは不明ですが、やはり問題があったようですねえ。
  

  ニッパでパチパチと足を切り、取り外します。そしてやっとの思いで入手した互換品のuPD2101を搭載して完了。
  


  しかし、交換だけでは動作は今一でした。
  メモリーできるようになりましたが、12chの内、半分程度はへんてこな値が書き込まれます。
  というか、書き込んで直ぐ読み出すとOKなのですが、他のチャンネルに書き込むと内容が壊れます。
  試行錯誤の結果、メモリーICのグランド及び電源ラインの強化+電圧UPで、妥協できるところまで良くなりました。
  ICの電圧は実測で4V程度でしたが、これを約5Vに変更。
  これで8割程度のチャンネルが正常に使用できるようになりました。
  グランドや電圧関係で状況が変化することから、タイミング(交換したメモリーICは400n品)がシビアなようです。
  完璧を追求してもしかたありませんし、これ以上どうしようもないため、これで妥協することにしました。
  実使用では2〜3chも使えれば十分ですので・・・
  リード線で、電源、GNDを強化↓