FT-102のリレー交換
FT-102を語るとき、必ず出てくる話としてリレー問題があります。
これはRF部に多用されているリレーが接触不良を起こし、送受信に支障きたす問題で、
特に受信時に信号が極端に弱くなって、PTTをオン/オフすると直るのは、まさしくこのリレー問題です。
RF部にリレーを多用しているのは、ダイオードSWより歪や混変調の点で有利となるためで、
最高性能にこだわった結果だと思われます。
しかし、ここに使用するリレーの選択を誤ったために、致命的な大問題になってしまったのではないでしょうか。
オリジナルで使用されているF社製リレーは信頼性が悪く、数年で接触不良になってしまったようです。
ただ、このF社製リレー、ある程度の電圧、電流が流れる箇所に使用した場合、あまり問題とならないようですので、
元々微細な信号を扱うRF用途には向かない代物だった?とも考えられます。
それと、あまりクローズアップされませんが、送受信切替え(アンテナ切替え)リレーも、結構鬼門ですよ。
過去の交換作業では、この送受切替えリレーの交換が一番効いた、ということもありました。
まあ、いずれにしても、代替品に交換することで完治しますので、リレーが入手できるうちに交換をおすすめします。
・ 代替品
以下に示すオムロン製のリレーで、代替可能です。現状では全てのリレーを代替することはできませんが、
代替品がないリレーは、たまたまあまり問題になっていない(私の経験では・・)ため、無交換で良しとしています。
・ G5LE-1 12V
DC(送受切替用)
・ G2E-134P-M-US 12V DC(RF部用)
・ G2E-134P-M-US 24V
DC(RF部用)
・ 入手方法
以前、交換を思い立ち、秋葉を1日探し回りましたが、入手できなくて、結局とあるお店でお取寄せになった
苦い経験があります。
秋葉に行けば入手できない部品は無いという”秋葉神話”が、私の中でもろくも崩れ去った瞬間でしたね。
そこでおすすめは、オムロンのHP(オムロン・ツフォーサービス・オンラインショップ)からの直接購入です。
たしかユーザー登録みたいなものが必要になりますが、確実で早いですよ。
リレー購入後、分厚い部品カタログまでいただき、なんだか恐縮してしまいました。
・ 交換方法
まあ、基板に付いているリレーを交換するだけなので、話は早いのですが、難解な箇所が1ヶ所あります。
それは、BAND切替えSWの下にある、RL?で、高さ方向のクリアランスが無いため、まともには交換できません。
BAND切替えSWを浮かすとか、取外すなど、リスクを伴う作業は行いたくないですよね。
リレーの取外しは、スッポンで半田を除けば、何とか取れると思います。
取付けですが、私の場合、取付けるリレーの足を短く切る(1mm程度に)方法で、うまく交換できてます。
足を切ることでリレーの高さが低くなり、BAND切替えSWの下に、何とか滑り込むことができるのです。
当然、プリント板の半田面に足が出てこないことになりますが、半田をうまく流し込めば、問題ありません。
過去、3台この方法で交換しましたが、今のところ、特に問題はありません。
あと、送受切替えリレーの交換ですが、これもかなり困難な作業を強いられます。
まともにやると、リアパネルを外すことになりますが、私の場合、真空管を取外した後、アンテナコネクタ(Mコネ)の
ナットをレンチで外し、ファイナルBOX内で、交換作業を行いました。
難儀な作業を強いられますが、何とかなりましたよ。
RF部以外にも同様のリレーが使用されていますが、私の場合、交換はケースバイケースで、必要に応じて交換してます。
赤:交換が難しいリレー 青:楽に交換可 黄:現状、代替リレーなし