HP52502A


  長年、岩通の40MHzシンクロスコープで頑張ってきましたが、対応周波数の限界とアナログの限界とから、
 DSOが欲しくなりました。
  しかし、まともな動作品はかなりのお値段がします。
  そのため動作不調のジャンク品を購入し、修理することに・・
  このHP52502Aは、400MHzの400MSa/sのデジタイジングオシロスコープで、
 アマチュアには申し分ないスペックです。
  
  

 
・ 現状確認
  電源を入れてみましたが、パイロットランプも点かない、FANも回りません。
  しかし、そのまま放置してたら、FANがゆっくり回りだし、パイロットランプも点き、機器が立上がりました。
  しめしめと思い、しばらくヒートラン。
  24時間程度ヒートラン後は、電源が一発で入るようになり、直ったと思いおお喜びしました。
  長い間、使われなかった機器は、長時間電源を入れてやることで眠りから覚め、調子が良くなることが多々あるからです。
  今回の場合も、電源部のコンデンサーあたりが眠りからさめ、復活したと、この時は思いました。
  が、しかし、悪夢は数週間後、訪れました・・・
  あるとき画面に表示されている波形が、不自然に上下に揺れる現象が出始めました。
  なにか接触不良のような感じもしますが、原因不明です。
  セルフテストを掛けると、ななんとエラーがいくつも出てるではありませんか。
  セルフテストは、今まで何度もクリアしてたのに・・
  色々やってみましたが、原因を特定できません。そこで、基本に立ち返り、内部の電圧チェックを行なうことにしました。
  幸いHPのホームページより、サービスマニュアル(英語版ですが・・)がダウンロードできたため、
 これに従い作業を進めた結果、アナログ回路用の-15Vがたった5〜6Vしかないことが解りました。
  それも、フラフラ変動してます。       
  


・ 原因・対処
  原因は電源部と特定できたため、本体より取り外し、内部を確認することにしました。
  電源部はスイッチング電源で、本体から簡単に取り出せる構造であったため、大変助かりました。
  2本のピンを抜き、電源本体をスライドするだけです。(さすがは天下のHPと関心しました)
  

  

  始めのうちは、特に異変に気づきませんでした。コンデーサーの頭が膨れてるとか、抵抗が焼けてる等、見た目での異常が
 ありません。
  しかし、なにかあるはずと見てると、少し基盤の表面が光っている箇所が、電解コンデンサー周辺にあることに気づきました。
  液漏れです。それもルビコン製のコンデンサー全て・・・
  ネットで調べると、90年代初頭のルビコン製コンデンサーは、液漏れしやすいとの情報を見つけました。
  基板上にはニチコン製も多数ありましたが、こちらは大丈夫です。(ルビコン製は、今は信頼性が高いようですね)
  液漏れコンデサーを外してみると、直下の基盤は電解液でべちょべちょ。一部パターンの腐食も始まってる状態でした。
 (あぶないあぶない・・ 下記写真の黒い電解は全てルビコン製で、約10個程交換しました)
  

  おそらく漏れた電解液で、電流が流れ、動作が不安定になっていたのでしょう。アルコールで電解液を綺麗に拭取り、
 コンデンサーを交換したところ、正規の電圧が出力されるようになり、めでたく復活しました。
  交換後の写真↓
  

  その後、セルフテスト、オートキャリブレーションもまったく問題ありません。