二次周波数標準器
アマチュア無線機といえど、きっちり調整しようとすると、測定器の精度が気になってきます。
また、最新機種のFTDX-9000やIC-7800のように、TCXOではなく、OCXO(オーブン付き)を内蔵するリグもあり、
測定器の精度もプロなみが必要になってきました。
そこで、手持ちの測定器の精度を上げるため、二次周波数標準器を作成することにしました。一般的に、SGやスペアナ、
周波数カウンタ等の測定器は、基準周波数が10MHzとなっており、外部入力できるようになっています。
ここに、精度の高い10MHzを入力してあげれば、測定器の精度も上がるという仕組みです。
作成した二次周波数標準器は、10MHzの発信周波数で、精度は5×10-9乗。
出力信号はSIN波形とTTLの2種類としました。
以下の写真は、二次周波数標準器の外観です。(前面BNCはTTL出力、背面BNCは50Ω×2)
・ OCXO
心臓部はオークションで入手したTOYOCOMのTCO-612Bで、ポテンションメータで、発信周波数を微調整できます。
ただし、出力がTTLであるため、スペアナで見ると、20MHZ、30MHz・・・のスプリアスが延々と出ており、気分的に
よくありません。まあ、入力される側の測定器はTTLでOKのものもあるようですが、ここは綺麗なSIN波としたいところです。
酷いスプリアスが・・・(左端が基本波です)
・ ラダーフィルター
スプリアスだらけの基準信号を、SGやカウンターの基準入力に入れるのは、精神衛生上よろしくないとの考えで、
簡単な3素子ラダーフィルタを作成しました。
・ 出力波形
ラダーフィルタ通過後の出力波形です。きれいな正弦波となり、スプリアスも-50dB以下。満足できる結果となりました。
長時間のエージング後、10-10乗の周波数カンウンタでじっくり調整し、完成です。(会社の高精度なやつで合わせました)
スプリアス激減です。
OCXO内蔵カウンタにて計測。
どちらが正しいかは?ですが、まあ、数100mHzのオーダーで合っていることは確かです。